高齢者の靴の選び方|転倒予防を意識したチェックポイント

高齢者の靴選びと足元の安定を考えるミライとススムのイラスト 基礎知識・用語集

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「親の靴が古くなってきたけれど、どんな靴を選べばいいか分からない」「歩くときにつまずくことが増えたので、靴を見直したい」。

そんなときに大事なのは、デザインや値段だけでなく、足に合っているか、歩く場所に適しているかを確認することです。

この記事では、高齢者の靴を選ぶときに確認したいポイントを、サイズ・つま先・かかと・靴底・着脱のしやすさなどに分けて整理します。

靴だけで転倒を防げるという意味ではないため、足の状態や歩き方に気になる点がある場合は、医師や理学療法士、福祉用具専門相談員などにも相談してください。

この記事でわかること

  • 高齢者の靴選びで失敗しない「6つのチェックポイント」
  • スリッパより靴タイプを検討すべきサイン
  • 介護保険と医療保険(療養費)、それぞれの適用の境界線
  • 自宅でできる正確なサイズ測定と試し履きの手順
  1. 高齢者の靴選びにおける「転倒予防」の考え方
  2. 高齢者向けの靴の買い替えを検討したいサイン
  3. 高齢者の靴を選ぶ6つのチェックポイント
    1. 1. つま先に余裕があり、引っかかりにくいか
    2. 2. かかとがしっかり安定するか
    3. 3. 足の甲を固定できるか
    4. 4. 脱ぎ履きしやすいか
    5. 5. むくみや左右差に対応できるか
    6. 6. 靴底が滑りにくく、歩く場所に合っているか
  4. 室内履きの考え方|スリッパ型と靴型の違い
    1. スリッパは脱げやすく、転倒のもとになりやすい
    2. 自宅での歩き方を見て「かかと付き」を検討する
    3. 「誰でも靴タイプにすればOK」ではない
  5. 高齢者用の靴にかかる費用と介護保険
    1. 介護シューズは「介護保険の対象外」(全額自己負担)
      1. 福祉用具のレンタルと購入の詳細についてはこちら
    2. 「医師が必要と認めた治療用」なら健康保険が使えることも
    3. 迷ったら自己判断せず、医師や保険窓口へ相談を
    4. 実際の靴の価格例
  6. サイズ測定と試し履きのポイント
    1. 夕方、立った状態で測る
    2. 靴下や装具は普段の状態に合わせる
    3. 立って・歩いて、当たりや浮きがないか確認する
  7. 高齢者用の靴を選ぶときの注意点
    1. 足の痛みや傷を靴で我慢しない
    2. 「高齢者向け」の表示だけで選ばない
  8. 本人に合う靴が分からないときの相談先
    1. 靴を替えても不安が残るときは
    2. 困ったときは専門職に相談する
    3. 失敗しない靴選びの5ステップ
    4. 靴と合わせて見直したい、ベッド周りの負担軽減

高齢者の靴選びにおける「転倒予防」の考え方

高齢者用の靴の足元と靴底を確認するミライとススム

この記事でいう「転倒予防を意識した靴選び」は、加齢や病気による歩き方の変化、足の形の変化やむくみなどを踏まえ、つまずき・滑り・足元のグラつきが起きにくい条件を確認して靴を選ぶことです。

内閣府の「高齢社会白書」でも、高齢者が介護を必要とする主な原因の一つとして「骨折・転倒」が挙げられています。ほんの一歩のつまずきが大きなケガにつながるからこそ、足元を整えることが日々の自立した生活を守る大切な一歩になります。

店頭やネットでは「介護シューズ」「ケアシューズ」「リハビリシューズ」など様々な呼び方がありますが、名称がついているからといって誰にでも合うわけではありません。

商品名やブランド名よりも、使う人の足の状態と実際の暮らしに合っているかを確認することが大切です。

高齢者向けの靴の買い替えを検討したいサイン

介護シューズやケアシューズには、「〇歳以上」「要介護〇から」といった公的な利用基準や決まりはありません。足や歩き方に次のような変化が出てきたときが、買い替えを考えるタイミングです。

  • つまずき・すり足が増えた
    • 「何もない平らな床でつまずく」「スリッパを引きずるように歩く」といった様子が見られたら、つま先が引っかかりにくい靴への切り替えを考えるサインです。
  • 玄関での脱ぎ履きでグラつく
    • 片足立ちや深くかがむ姿勢はバランスを崩しやすい瞬間です。手すりを探してフラついたり履くのが億劫になってきたら、手を使わずに履ける靴や、履き口が大きく開く靴が助けになります。
  • 外反母趾・タコ・巻き爪など、足のトラブルがある
    • 普通の硬い靴では変形した部分が当たって痛むことがあります。伸縮性のある生地や、つま先がゆったりした靴を検討しましょう。
  • 足の幅・甲の高さ・左右差が気になる
    • 年齢とともに足のアーチが落ちると、足幅が広がったり甲が高くなったりします。洋服に「M・L・LL」があるように、靴の横幅にも「E(標準)→3E(ゆったり)→4E〜7E(超幅広)」という規格があります。幅広対応の靴や、左右別サイズで買える靴がフィットします。
  • 朝と夕方で「足のむくみ」が全然違う
    • 夕方になると足がパンパンになり、朝履けた靴がきつくなるのはよくある悩みです。ベルトや面ファスナーで締め具合を調整できる靴なら、一日中快適に過ごせます。
  • 麻痺やケガ、リハビリ中で足が通しにくい
    • 手足に力が入らない状態では、狭い履き口に足を押し込むのは本人も介助者も大変です。甲が大きく開いて足を置くだけで履ける靴が重宝します。
  • 装具をつけていて、普通の靴が入らない
    • 足にサポーターや下肢装具をつけていると一般の靴には入りません。装具専用の設計や、ベルトの長さを延長できる靴を選ぶ必要があります。

高齢者の靴を選ぶ6つのチェックポイント

ここからは、実際に靴を選ぶときに確認したい6つのポイントを、それぞれ「なぜ必要なのか」とあわせて見ていきます。

1. つま先に余裕があり、引っかかりにくいか

靴の中の指先の余裕は、手袋の指先のゆとりに近いものです。

ぴったりすぎる手袋では指が動かせないのと同じで、靴の先端に指がコツコツ当たり続けると、痛みや靴擦れ、巻き爪などの原因になります。かといって大きめを選ぶと、歩くたびに足が靴の中でズレ動き、かえって踏ん張りがきかなくなります。

目安は手の親指の幅1本分(約1cm)程度のすき間(捨て寸)です。靴を履いて立ったとき、指先を上下に動かせるか、爪が押しつぶされていないかを確認しましょう。

また、すり足になりやすい方は、つま先が上を向いて反り上がっている靴も選択肢に入ります。雪の上を走るソリの先端が反り上がっているのと同じで、つま先をあらかじめ少し浮かせておくことで、敷居や道路のわずかな段差につまずきにくくなります。

ただし反りが強すぎると足指に余計な力が入ることもあるため、実際に履いて足がスッと前に出るか確かめましょう。

2. かかとがしっかり安定するか

靴のかかと部分には、足を支えるための硬い板(月型芯)が入っています。ここが柔らかいと、着地するたびに足首が左右にグラグラ揺れて疲れやすくなり、踏ん張りがきかなくなります。

歩くとき、かかとが靴からパカパカ浮いたり、左右に揺れたりしていないかを確認しましょう。

ただし硬ければ良いわけでもありません。硬すぎるとかかとの骨やアキレス腱に当たり、靴擦れの原因になります。

外側からつまんで簡単につぶれない強さがありながら、内側は柔らかなクッションで包んでくれるものを選びましょう。「外からの横揺れはしっかり支えるけれど、内側はふんわり包まれている」フィット感が理想です。

なお「軽い靴ほど歩きやすい」と思われがちですが、軽すぎると足を前に振り出す勢いがつきにくく、かえってすり足になりやすいという考え方もあります。

手に持ったときにペラペラと頼りない靴よりも、ある程度の重みが感じられる靴のほうが、歩行が安定するケースもあると覚えておきましょう。

3. 足の甲を固定できるか

面ファスナー(マジックテープ)やベルトが付いた靴は、その日の足のむくみ具合に合わせてフィット感を調整できるのが強みです。甲をピタッと留めるだけで靴と足が一体になり、歩くときの安定感が大きく変わります。

足入れがラクなスリッポン型は魅力的ですが、甲が固定されていないと歩くたびに足が前へ滑ってしまいます。留め具を締めて立ち上がり、足が前にすべらないか、ベルトの端や金具が甲の骨に当たって痛くないかを確認しましょう。留め具の種類ごとの違いは次の表の通りです。

留め具の種類フィット感の調整脱ぎ履きのしやすさ特徴と注意点
ひもミリ単位で細かく調整できる結び直す動作が必要手先が器用な人向け。緩んだまま履くと転倒の危険あり。高齢者向きではない。
面ファスナー(マジックテープ)片手でもその場で微調整しやすいベリッと開いて履き口を広げやすい日々のむくみの変化や、介助者が履かせる場面にも最適
ファスナー調整幅は一定(固定)引き手を上げ下げするだけで簡単脱ぎ履きは素早いが、甲の厚みの微調整はしづらい
スリッポンサイズ調整はできない手を使わずに立ったまま履けるものもある甲が固定されないため、サイズが合わないと足が中で滑りやすい

4. 脱ぎ履きしやすいか

足腰がつらくて深くかがめなかったり、指先に力が入りにくかったりすると、靴を履くこと自体が一苦労になります。毎日の生活でストレスなく扱えるかどうかは、思っている以上に重要なポイントです。

靴を試すときは、実際に椅子に座った姿勢で次の3点を確認しましょう。

  • 足を入れる開口部が広く開くか(足をスルッと置くだけで履けるか)
  • マジックテープをつまみやすいか(指を引っ掛けられるループや大きな持ち手があるか)
  • 無理にかがまなくても手元で操作できるか

ご家族が靴を履かせる場合は、履かせやすさが介助の負担に直結します。「履かせる側もスポッと足を入れてサッと留められるか」を確認しておくと、お出かけ前の支度がぐんとラクになります。

5. むくみや左右差に対応できるか

足の太さや大きさは時間帯や体調で変わります。夕方は朝より足がむくんでパンパンになりやすいため、ベルトや面ファスナーで締め具合を微調整できる靴なら、朝も夕方も心地よくフィットさせられます。

足がむくんだときにベルトを緩めても脱げたりズレたりしないか、左右差が大きい場合は「片足だけ別サイズで買える靴(片足販売)」や中敷きで調整できるかを確認しましょう。

ただし「急激に足が腫れ上がった」「赤みや傷ができて痛む」といったトラブルがある場合は、靴選びだけで解決しようとせず、まずはかかりつけ医や皮膚科に相談してください。

6. 靴底が滑りにくく、歩く場所に合っているか

靴底の接地面積が狭い靴は不安定になりやすく、床に広く接地する靴のほうが立ったときも歩くときも安定感が増します。屋外で履く場合はアスファルトの凸凹や濡れたマンホールでも滑りにくいよう、しっかり溝が刻まれたゴム底が向いています。屋内で履く場合は、フローリングや畳でも床を傷つけにくい柔らかめの素材を選びます。

「滑り止め加工」と書かれていても、雨で濡れたタイルや油のついた床ではどんな靴でも滑る危険があります。

過信せず、ツルツルした場所を歩くときは普段以上に足元に注意しましょう。

散歩用、通院用、お部屋履き、リハビリ用など、使うシーンによって求められる機能はまったく違います。「どこで」「誰が」「どのくらい履くのか」を整理しておくと、商品ごとの特徴を比べやすくなります。

確認項目考えておきたいポイント
使用場所自宅の部屋、屋外、デイサービス施設、病院など
着脱する人ご本人が自分で履くのか、ご家族や介助職員が履かせるのか
使用時間トイレなどへの短時間の移動か、散歩や通院などの長時間か
足の状態足幅(ワイズ)、甲の厚み、左右のサイズ差、夕方のむくみ具合など
歩行時の様子かかとの浮き、つま先の引っかかりやすさ、歩行時の痛みなど
ミライ
ミライ

正直、覚えること多すぎない?結局、店員さんに「これ」って言われたやつ買えばいいんじゃないの?

ススム
ススム

その店員さんが、長さだけ聞いて棚から出してきたのか、幅やかかとのフィット感まで一緒に見てくれたのかで話は変わるよ

ミライ
ミライ

そんなに違うの?

ススム
ススム

ぜんぜん違う。そこまで見てくれない店なら、この6つのチェックポイントは自分でも確認したほうがいい

室内履きの考え方|スリッパ型と靴型の違い

室内と屋外で使う靴の違いを比較するミライとススム

スリッパは脱げやすく、転倒のもとになりやすい

家の中ではスリッパやつっかけを愛用している方が多いかもしれません。

しかし、かかとが固定されていないスリッパは歩くたびに脱げそうになり、足指をギュッと縮めて不自然に踏ん張ったり、足をすって敷居やカーペットのへりに引っかかったりと、室内でのつまずき・転倒の大きな原因になります。

自宅での歩き方を見て「かかと付き」を検討する

まずは、ご本人が家の中で普段どのように歩いているかを観察してみましょう。「すり足になっている」「ペタペタと足を引きずる音がする」「敷居で足が引っかかることがある」といった様子が見られるなら、室内でも「かかとを包み込むルームシューズ(靴タイプ)」への切り替えを考えるサインです。

かかとがあるだけで足と靴が一体になり、足をしっかり持ち上げてスムーズに踏み出せるようになります。

「誰でも靴タイプにすればOK」ではない

だからといって、全員に一律でかかと付きの靴をおすすめするわけではありません。

  • 床の状態:フローリングで滑りやすいのか、畳の部屋が多いのか、敷居の段差はあるか
  • 履く時間:トイレや洗面所への短時間の移動か、日中ずっと履いたまま過ごすのか
  • 脱ぎ履きのしやすさ:自分で立ったまま履けるのか、座らないと履けないのか

お部屋の床材やご本人の足腰の状態に合わせて、安全性と履きやすさのちょうどいいバランスを見極めて選ぶことが大切です。

ミライ
ミライ

正直、スリッパのほうが脱ぎ履きラクだし、かかと付きなんて面倒じゃない?

ススム
ススム

気持ちはわかるよ。でも、ちょっとした転倒からの骨折が要介護のきっかけになることも少なくないんだ。

ミライ
ミライ

そんなに重大なことになるの…

ススム
ススム

だからこそ「まだ大丈夫」で済ませず、歩き方が変わってきたら早めに切り替えを検討してほしいんだ。

高齢者用の靴にかかる費用と介護保険

介護保険と医療保険の境界線を考える靴のイラスト

介護シューズは「介護保険の対象外」(全額自己負担)

歩きやすさを重視したケアシューズやシニア向けの靴は、介護保険(レンタル・購入補助)の対象にはなりません。「日常生活を快適にする道具」という位置づけになるため、購入費は全額自己負担(10割負担)となります。

福祉用具のレンタルと購入の詳細についてはこちら

福祉用具はレンタルと購入どっちがいい?違いを解説
介護保険の福祉用具は「レンタル」と「購入」でなぜ分かれるのか、対象品目の違いから支給限度額、現場で聞かれる判断の目安まで、新人福祉用具専門相談員がやさしく整理します。

「医師が必要と認めた治療用」なら健康保険が使えることも

ただし、病気やケガ、麻痺などで足の形が大きく変形し、医師が「治療のために専用の装具や靴が必要」と診断した場合は話が変わります。

これは日常生活用の靴ではなく「医療用装具」という扱いになるため、医療保険(健康保険)の「療養費」の対象になる可能性があります。いったん窓口で全額を支払ったあと、申請手続きを行うことで費用の7〜9割が払い戻される仕組みです。

迷ったら自己判断せず、医師や保険窓口へ相談を

「自分の足の状態なら保険が使えるのかな?」と気になったときは、勝手に購入せず確認することが大切です。

  • 対象になるかどうか・診断書の作成:かかりつけ医や整形外科などの医師
  • 申請の手順や払い戻し額:加入している健康保険(国民健康保険、後期高齢者医療制度、協会けんぽなど)の窓口

それぞれ条件や手続きが細かく決まっているため、購入前にまず専門窓口へ相談してみましょう。

実際の靴の価格例

市販されている代表的な製品の価格例は次の通りです。楽天市場での参考価格のため、販売店やサイズ、購入時期によって変動します。購入前には必ず最新価格をご確認ください。

製品例主な特徴価格の目安(税込)
快歩主義 KHS L011-5E【外反母趾・幅広の痛み】ゆったり3E・5E幅広設計(レディース向け)5,000円台
セダークレスト CC-2507【かがむのがつらい】手を使わず立ったままスポッと履けるタイプ3,000円台
快歩主義 KHS M900【外反母趾・幅広の痛み】脱ぎ履きしやすい4E幅広設計(メンズ向け)6,000円台
あゆみ 瞬感スポッと【かがむのがつらい】手を使わず履けるスリップオン(男女兼用)2,000〜7,000円台
アサヒ メディカルウォーク MF【ひざの痛み・散歩用】ひざの負担を軽減するファスナー付き(メンズ向け4E)20,000円台
ダブルマジック3【むくみ・介助が必要】履き口が大きく開く王道モデル(豊富なサイズ展開)5,000〜6,000円台

※価格は変わります。最新の価格は楽天市場でご確認ください(2026年10月時点)。

主にご利用者の中ではダブルマジックや快歩主義など、フィットしやすい靴を購入されるかたが多いです。色も豊富で人気商品の1つです。

購入を検討する際は、デザインだけでなくサイズ交換や返品ができるショップかどうかを必ず確認しておきましょう。

通販は実物を試着できない分、サイズが合わなかったときに交換・返品できるかどうかが失敗を防ぐ生命線になります。

サイズ測定と試し履きのポイント

足のサイズと試し履きを確認するミライとススムのイラスト

夕方、立った状態で測る

足の大きさは1日中同じではありません。夕方になると重力や疲労の影響でむくみが出やすく、朝より足が大きくなります。朝のすっきりした足に合わせて靴を買うと、夕方に「きつくて痛い」となりがちなので、一番大きくなりやすい夕方に合わせるのが失敗しない鉄則です。

また、サイズを測るときは座って足を浮かせた状態ではなく、必ず両足で立って体重をかけた状態で測りましょう。足は体重がかかると横や縦に広がるため、歩くときと同じ状態で確認する必要があります。※ふらついて危ないときは、テーブルや手すりなどにしっかりつかまり、安全を確保して行ってください。

靴選びでは「〇〇cm」という長さ(足長)ばかり気にしがちですが、実は「足の横幅(足幅)」や「甲のまわりの太さ(足囲)」も同じくらい重要です。同じ「24cm」でも靴の木型によって中の広さは全く異なるため、この3つを立体的に確認しましょう。

靴下や装具は普段の状態に合わせる

試着するときは、普段実際に履いている靴下を必ず準備しましょう。薄手のストッキングと厚手の靴下では厚みが違い、靴の中のゆとりが大きく変わります。普段から下肢装具をつけている方は、装具をつけた状態で試着することが必須です。日常と違う条件で合わせると、正確なサイズは分かりません。

人の足は左右で微妙に大きさが異なるため、基本は「大きい方の足」に合わせてサイズを選びます。左右差が大きいときは、片足ずつ別々のサイズが買える「片足販売」を利用したり、小さい方の足に中敷きを入れて調整する方法もあります。自己判断で我慢せず、靴の販売店や福祉用具専門相談員に相談してみましょう。

立って・歩いて、当たりや浮きがないか確認する

座ったまま靴を合わせて決めると、実際の履き心地とズレが出ることがあります。靴に足を入れたら、必ず立ち上がって数歩歩いてみましょう。座っているときはぴったりに思えても、立ち上がると体重で足が広がり、踏み出した瞬間には足が前後に動きます。

履くときはまずかかとを後ろにしっかり合わせ、ひもやベルトを固定します。その状態でつま先に指1本分(5〜10mm程度)のすき間があるか確認しましょう。横幅がきついときに中敷きを重ねるのは逆効果で、中がさらに狭くなります。幅がきついときは中敷きで調整せず、足幅(ワイズ)の広い靴を選び直しましょう。

かかとを踏んで履くと靴の骨組みが壊れてしまうため、かがむのがつらい方は手を使わずに履けるタイプを検討してください。

高齢者用の靴を選ぶときの注意点

高齢者向け靴選びで注意したいポイントを見比べるイラスト

足の痛みや傷を靴で我慢しない

足の痛みを我慢して履き続けるのは危険です。履いた瞬間に当たって痛い靴を「そのうち革が伸びて慣れるかも」と我慢してはいけません。靴が足に馴染む前に、靴擦れやタコができてしまいます。

靴を脱いだあとは、足に赤くなっている場所や小さな傷がないか確認してください。赤みは「ここが強く圧迫されています」という危険信号です。特に糖尿病などの持病がある方は、足の感覚が鈍くなっていて痛みに気づきにくく、小さな傷から菌が入って重症化しやすいリスクがあります。足のトラブルが続く場合や持病がある方は、靴選びだけで解決しようとせず、まずはかかりつけ医や皮膚科などの医療機関に相談することを最優先にしてください。

「高齢者向け」の表示だけで選ばない

パッケージに「高齢者用」「シニア向け」「介護シューズ」と書いてあると、それだけで「これを選べば誰でも安心」と思いがちです。しかしすべての人に万能にフィットする靴はありません。足の形、歩き方の癖、暮らしの環境は一人ひとり違うため、ラベルの言葉だけで選ぶと「幅が広すぎて靴の中で足が泳ぐ」といった失敗につながります。

本当に見るべきは商品名ではなく「その人の足と暮らしに合っているか」です。次の4つのピースが噛み合っているかを確かめましょう。

  • サイズと形:足の長さだけでなく、幅や甲の高さ、かかとの収まりが合っているか
  • 使う場所:フローリングの室内か、アスファルトの屋外か、段差の多い場所か
  • 歩き方の癖:すり足でつまずきやすいのか、かかとが浮きやすいのか、左右に揺れるのか
  • 脱ぎ履きの方法:自分で立ったまま履くのか、座って履くのか、介助者が履かせるのか

「高齢者向けと書いてあるから」ではなく、「今の足の状態と使う目的に合っているから」という理由で選ぶことが、安全で快適に歩き続けるための一番の近道です。

本人に合う靴が分からないときの相談先

専門家に相談して本人に合う靴を考えるミライとススム

靴を替えても不安が残るときは

靴を新しく替えても、「まだつまずく」「歩くときにグラグラする」「足が痛む」といった不安が残ることは珍しくありません。歩きづらさの原因は、靴だけでなく筋力、関節の硬さ、病気、お部屋の段差など様々な要素が絡み合っています。靴を替えれば必ず解決するとは限らないため、無理に解決しようとせず、足元のSOSを見逃さないようにしましょう。

困ったときは専門職に相談する

歩行や足に不安があるときは、ご家族だけで抱え込まず、状況に合わせて専門職を頼るのが一番の近道です。

  • 足の痛み・腫れ・皮膚のトラブル:医師、看護師
  • 歩き方の癖・リハビリ・運動機能:理学療法士(PT)、作業療法士(OT)
  • 生活全体の困りごと・介護方針:ケアマネジャー
  • 靴の種類・特徴・他の福祉用具との組み合わせ:福祉用具専門相談員

靴は実際に家で履いて少し歩いてみないと、本当の履き心地が分からないことも多いものです。「サイズが合わなかったときに無料で交換できるか」「タグを切る前なら返品できるか」を購入前に確認しておくと、失敗のリスクをぐっと減らせます。

多くのご利用者の中でも今まで通りの足の長さで決め、やや大きめを選んで後悔している方が大きくおられます。加齢ともに足の状態も変化していくので相談員や販売員にこれでもかと言うほど相談してください!

失敗しない靴選びの5ステップ

  • ステップ1:どこで使う靴かを決める(家の中、お散歩、デイサービス、病院など、履くメインの場所を1つに絞る)
  • ステップ2:誰が脱ぎ履きするかを確認する(本人が立って履くか、座って履くか、家族が履かせるかで選ぶべき留め具が決まる)
  • ステップ3:足のサイズを立体的に測る(長さだけでなく、横幅・甲の厚み・夕方のむくみ・左右差もチェック)
  • ステップ4:実際に履いて立ち、数歩歩いてみる(体重をかけて立ち上がり、つま先のゆとりやかかとのフィット感、安定感を確かめる)
  • ステップ5:痛みや不安があれば専門職に相談する(自己判断せず、医療・介護の専門スタッフにアドバイスを求める)
ミライ
ミライ

結局さ、色々考えるの面倒だから、とりあえず一番人気のやつ買っちゃダメ?

ススム
ススム

人気商品が悪いわけじゃないけど、足の形も生活も人それぞれだから「みんなが買ってるから安心」とは言い切れないんだ

ミライ
ミライ

じゃあどうすればいいの?

ススム
ススム

このステップ通りに「どこで・誰が・どんな足で」を整理してから選べば、遠回りに見えて結局一番早いよ

・靴はサイズ(長さ)だけでなく、つま先のゆとり・かかとの安定・靴底・留め具を立体的に確認する
・「高齢者用」の表示だけで安心せず、本人の歩き方や生活シーンに合うか必ず試着して確かめる
・足の強い痛みや腫れ、歩行の不安がある場合は、靴だけで解決せず医療・介護の専門職に相談する

条件に合う靴を探すときは、サイズや仕様だけでなく、試着・返品・交換の条件も確認してください。

靴による足元の安定と同じくらい、朝の起き上がりや立ち上がり動作のふらつきも転倒予防には関わってきます。ベッドからの立ち上がり負担を減らすポイントは、次の記事で詳しく解説しています。

靴と合わせて見直したい、ベッド周りの負担軽減

介護ベッドの「特殊寝台」って何が特殊なの?初心者向け解説
「特殊寝台」と聞くと難しそうですが、要は背上げや高さ調整ができる介護ベッドのこと。何が「特殊」なのか、普通のベッドとの違い、モーター数による機能差、介護保険でのレンタル料金の目安まで、現役の福祉用具専門相談員が新人目線でやさしく解説します。

本記事は現場での経験や公的資料をもとに作成していますが、内容は個人の見解であり、効果・効能を保証するものではありません。医療的なご判断が必要な場合は、必ず専門職にご相談ください。なお、本記事はAIで下書きを作成したうえで、運営者が加筆・確認しています。

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