福祉用具専門相談員に向いている人・向いていない人|現役が解説

福祉用具専門相談員に向いている人・向いていない人のアイキャッチイラスト 資格・キャリア情報

「福祉用具専門相談員って、自分に向いているのかな」。介護の仕事から移ろうか迷っている人や、求人を見て気になった人は、まずそこが知りたいと思います。

私は福祉用具専門相談員として、利用者さんの自宅に車いすや介護ベッドを届けています。この記事では、法律で決まった仕事の中身と、厚生労働省の職業情報サイト「job tag」のデータをもとに、向いている人・向いていない人を整理しました。

この記事でわかること

  • 福祉用具専門相談員の仕事の中身(法律で決まっていること)
  • 向いている人の6つの特徴と、その根拠
  • 向いていない人がつまずきやすいところと対処法
  • なれる資格と、53時間の指定講習

先に結論

  • 福祉用具専門相談員は、話を聞いて用具を選び、届けて調整し、使い始めた後も見守る仕事です。
  • いちばん求められるのは、聞く力と説明する力です。job tagでも「傾聴力」「説明力」が上位に入っています。
  • 体力・運転・書類も毎日あります。苦手な部分も、工夫で補えることが多いと現場で感じています。

向いている人の早見表

向いている人 job tagでの順位 法律で決まった仕事
①話を聞いて、困りごとを引き出せる人 必要なスキル39項目中1位(傾聴力) 希望・心身・環境を踏まえて計画を作る
②かみくだいて説明し、やって見せられる人 スキル2位(説明力)・3位(指導) 実際に使ってもらいながら使い方を指導する
③押し付けずに、選択肢を並べられる人 仕事の価値観11項目中1位(専門性) 機能や価格の違う複数の用具を示す
④電話・書類・連絡をこまめにできる人 仕事の性質16項目中2位(電話での会話) 計画の交付、モニタリングの記録と報告
⑤体を動かすことや運転が苦にならない人 納品・回収・組み立ては全員が行う 体に合わせた調整
⑥新しい用具や制度を学び続けられる人 仕事の価値観で上位(自己成長) 常に自己研鑽に努める

job tagは、仕事ごとに「どんなスキルが大事か」「どんな特徴の仕事か」を点数で比べられる、厚生労働省のサイトです。点数だけでは分かりにくいので、表では順位で示しました(2026年10月時点の掲載)。

法律の欄は福祉用具貸与の運営基準をもとにしています。

ミライ
ミライ

「相談員」って言うくらいだから、座って話を聞いてるだけの仕事だと思ってた!

ススム
ススム

それ、よく言われるんだよね。実は、ベッドを運んで組み立てるところまでやるんだ。

福祉用具専門相談員の仕事の中身

福祉用具専門相談員の仕事を、法律で決まっているものと事業所の仕事に分けた表

福祉用具専門相談員の仕事は、ひと言でいうと「用具を選ぶ・届ける・見守る」です。介護保険で福祉用具を貸す事業所には、フルタイムの人2人分以上の相談員を置くことが、国の基準で決まっています。

仕事の流れは、メガネ屋さんに近いと思います。目を測り、フレームを一緒に選び、かけ心地を調整して、ずれたら直す。相談員も、体と暮らしを確かめて用具を選び、合わせて、使い始めた後も確かめに行きます。

法律で決まっている仕事

福祉用具専門相談員の主な仕事は、国の基準で一つひとつ決まっています。

  • 利用者の希望・体の状態・住まいを確かめて、福祉用具貸与計画を作り、説明して同意をもらい、本人とケアマネジャーに渡す
  • 機能や価格帯の違う複数の用具と、全国平均貸与価格などを文書で示して説明する
  • 用具を点検し、体に合わせて調整し、使い方を書いた文書を渡して、実際に使ってもらいながら教える
  • 使い始めた後にモニタリング(使い方や体の変化の確認)をして記録し、ケアマネジャーに報告する
  • 頼まれたら使い方を確かめ、教え直したり修理したりする

ケアマネジャーは、どの介護サービスをいつ使うかの予定表(ケアプラン)を作る人です。旅行でいえば、全体の行程を組むプランナーにあたります。福祉用具貸与計画は、その行程表のうち「用具」のページをくわしくしたものと考えると分かりやすいと思います。

利用者さんの側から見た流れは、「介護保険で福祉用具を借りる流れ」で7つのステップに分けて解説しています。

2024年4月からは、杖や歩行器など一部の用具で「レンタルか購入か」を選べるようになりました。家電を買うか借りるかを選べるのと同じです。その説明と提案も、相談員の仕事に加わっています。

法律にはないが、毎日ある仕事

法律の決まりとは別に、事業所の仕事として毎日あるものも多いです。job tagの調査では、次の仕事を多くの相談員が行っています。

仕事 行っている割合
レンタルする用具を納品する・回収する 100%
用具を組み立てる 100%
返ってきた用具の清掃・消毒 92.6%
利用料の集金 92.6%
国保連への請求などの請求業務 85.2%
営業のため法人などを訪問する 81.5%

「相談員」という名前から、机で相談を受ける仕事を想像する人もいるかもしれません。実際は、運ぶ・組み立てる・お金の手続きをするといった仕事も、毎日の中に入っています。

福祉用具専門相談員に向いている人の6つの特徴

job tagで福祉用具専門相談員に大事なスキルの1位から3位(傾聴力・説明力・指導)を示した図

向いている人の特徴は、上の早見表の6つです。どれも、法律で決まった仕事と、job tagのデータの両方から言えることを選びました。

job tagでは、どんなことに興味がある人に合う仕事かを6つのタイプで比べています。この仕事でいちばん高いのは「社会的」で、人の役に立つことや、人と関わることに興味が向くタイプです。

私が「この仕事、向いているかも」と初めて思えたのは、ご利用者に感謝される事でした。手すりがグラつくを家族様からご連絡を頂き、スケジュール調整してご自宅に伺い、ネジを調整してグラつきを直すと、ご利用者やその家族様から「こんなに早く来てくれると思わなかった、ありがとう」と笑ってくださいました。

用具を運んで終わりではなく、その人の毎日が少し楽になるところまで見届けられる。それが、この仕事のいちばんのやりがいだと感じています。

①話を聞いて、困りごとを引き出せる人

いちばん大事なのは、話を聞く力です。job tagでも、必要なスキル39項目の中で「傾聴力」(相手の話をさえぎらずに聞く力)が1位でした。

利用者さんや家族は、「ベッドがほしい」とは言っても、本当の困りごとを最初から話してくれるとは限りません。「夜中のトイレで立ち上がるのがつらい」のような場面を聞き出せると、選ぶ用具が変わります。

お医者さんが問診で症状を聞いてから薬を決めるのと同じ順番です。計画も、本人の希望や体の状態、住まいを踏まえて作ることが決まっています。聞き取りが、すべての仕事の出発点です。

②かみくだいて説明し、やって見せられる人

用具を届けたら、使い方を説明します。job tagのスキルでは「説明力」が2位、「指導」が3位で、傾聴力の次に大事な力です。届けたときにすることは、法律で次のように決まっています。

  • 体の状態に合わせて用具を調整する
  • 使い方・使うときの注意・故障したときの対応を書いた文書を渡して、説明する
  • 必要に応じて、実際に使ってもらいながら教える

高齢の利用者さんには、言葉だけより、目の前でやって見せるほうが伝わります。専門用語を使わずに話せる人は、それだけで信頼されやすいと感じます。

③押し付けずに、選択肢を並べられる人

相談員は、機能や価格帯の違う複数の用具を示し、全国平均貸与価格も説明することが決まっています。全国平均貸与価格は、同じ商品の「全国の相場」のようなものです。

この決まりは、レンタル料が高くなりすぎないようにするためのものです。自分のおすすめを一つだけ勧めるのではなく、違いを並べて、本人や家族が選べるようにします。

job tagの「仕事の価値観」11項目の中で「専門性」が1位なのも、知識を相手のために使う仕事だからだと思います。

ミライ
ミライ

いろいろ並べてくれるのはうれしいけど、正直「これにして!」って決めてほしいかも…。

ススム
ススム

その気持ち、すごく分かる。だから最後は「ぼくならこれかな」って理由をつけて伝えるんだ。決めるのは本人と家族だけどね。

④電話・書類・連絡をこまめにできる人

意外に多いのが、電話と書類です。job tagの仕事の性質16項目の中で、1位が「他者とのかかわり」、2位が「電話での会話」、3位が「ビジネスレターやメモの作成」でした。

書類と報告も、決まった仕事です。

  • 福祉用具貸与計画を作り、本人とケアマネジャーに渡す
  • モニタリングの結果を記録して、ケアマネジャーに報告する

モニタリングは、自転車を貸したあとに、ブレーキやサドルの高さが合っているかを見に行くようなものです。変化に気づいたら、ケアマネジャーにすぐ伝えます。

ケアマネジャーや家族からの電話に、すぐ折り返せる人は、まわりから頼りにされます。

⑤体を動かすことや運転が苦にならない人

用具の納品・回収・組み立ては、job tagの調査で実施率が100%でした。介護ベッドや車いすを運び、その場で組み立てて、体に合わせて調整します。

ただ、job tagの「仕事の性質」(5段階)で、体を使う項目と人と関わる項目を比べると、次のとおりです。

  • 人と関わる・電話で話す:5に近い(いちばん多い仕事)
  • 体を使う・車を運転する:3前後(5段階の真ん中くらい)

毎日ずっと力仕事というわけではありません。ただ、訪問や納品で車を使う場面は多いので、運転に抵抗がないほうが楽です。

⑥新しい用具や制度を学び続けられる人

福祉用具専門相談員には、常に自己研鑽に励み、知識と技能を高めるよう努めることが決まっています。新しい用具は次々に出ますし、2024年のように制度が変わることもあります。

job tagの「仕事の価値観」でも、「自己成長」は11項目の上位(2位タイ)です。スマホのアップデートのように、知識を新しくし続ける仕事だと言えます。

メーカーの新商品を「面白そう」と思える人は、この仕事を長く楽しめると思います。制度の入口としては、「介護保険でレンタルできる福祉用具13品目」から読むのがおすすめです。

向いていない人がつまずきやすい3つのこと

最初につまずきやすい3つのことと対処法をまとめた図

向いていない人というより、最初につまずきやすいところが3つあります。どれも、気づいて工夫すれば乗り越えられることが多いと私は感じています。

自分の好みの用具を勧めたくなる

用具を覚えてくると、「これがいちばんいい」と思う商品ができます。ただ、相談員は複数の用具を示して、本人が選べるようにすることが決まっています。

自分のおすすめを一つ持つのはよいことです。そのうえで、「ほかにこういうものもあります」と比べて見せる習慣をつけると、押し付けにならずにすみます。

電話や書類を後回しにしてしまう

計画書、モニタリングの記録、ケアマネジャーへの報告は、決まった仕事です。後回しにするとたまっていき、利用者さんの変化に気づくのも遅れます。次のような小さなルールを決めておくと、続けやすくなります。

  • 訪問の記録は、車に戻ったらすぐ書く
  • 電話は、その日のうちに折り返す

体力や運転に不安がある

ベッドや車いすの納品・回収は、ほとんどの相談員が行う仕事です。体力や運転に不安があると、最初はきつく感じるかもしれません。

ただ、重い用具は2人で運ぶ、台車を使うなど、事業所ごとにやり方があります。入る前の見学や面接で、納品の体制を聞いておくと安心です。

働き始めたころ、いちばんきつかったのは、エレベーターのない団地の3階に介護ベッドの納品でした。先輩と卸業者と3人でマットレスとフレームを分けて運び、組み立て終わったころには汗だくでした。

その日は午後にも納品が2件あり、事務所に戻ってから契約書の処理と計画書を書いていると、ケアマネジャーさんからの電話も重なることもあります。今は、訪問の合間に車の中で記録を書くようにして、事務所に戻ってからの処理を軽くして、次の日の仕事の準備をしています。

ミライ
ミライ

団地の3階にベッド…想像しただけで腕がプルプルしてきた。

ススム
ススム

ひとりで運ぶわけじゃないから安心して。重いものほど、2人で声をかけ合って運ぶんだよ。

新人のころの失敗やヒヤッとした場面は、「福祉用具の選定で新人がヒヤッとした失敗談」にもまとめています。

データで見る福祉用具専門相談員の働き方

job tagのデータで福祉用具専門相談員の働き方をまとめた表

job tagには、国の統計をもとにした働き方のデータが載っています。数字は調査の時点のもので、事業所や地域によって違います。

項目 数字 もとにした統計
就業者数 63,760人 令和2年国勢調査
平均年齢 43.4歳 令和7年賃金構造基本統計調査
労働時間 月163時間 令和7年賃金構造基本統計調査
年収 402.7万円 令和7年賃金構造基本統計調査
求人賃金(月額) 24.4万円 令和7年度ハローワーク求人統計
有効求人倍率 4.6倍 令和7年度ハローワーク求人統計

job tagは、これらの統計を「加工して作成」した値として掲載しています(2026年10月時点)。近い職業をまとめた統計のため、福祉用具専門相談員だけの数字とは限りません。

有効求人倍率4.6倍は、仕事を探している人1人に対して、求人が4.6件ある状態です。イス取りゲームでいえば、座りたい人1人に対してイスが4.6脚ある状態です。

働き方は朝から夕方までの勤務が多く、job tagの調査では正規の職員として働く人が91.7%でした。

福祉用具専門相談員になる方法と向き不向きの確かめ方

福祉用具専門相談員指定講習の科目と時間数の表

福祉用具専門相談員になるには、決められた資格を持っているか、都道府県が指定する講習を修了する必要があります。入る前の実務経験は求められないことが多く、未経験からでも目指せる仕事です。

なれる資格と指定講習

次の8つの資格を持っている人は、講習を受けなくても福祉用具専門相談員として働けます。

  • 保健師・看護師・准看護師
  • 理学療法士・作業療法士
  • 社会福祉士・介護福祉士
  • 義肢装具士

資格がない人は、「福祉用具専門相談員指定講習」を修了して、修了証明書を受け取ります。2025年度からの新しいカリキュラムは、講義と演習で計53時間です。1日6時間で計算すると、9日ほどの分量です。

科目時間
福祉用具と福祉用具専門相談員の役割2時間
介護保険制度等に関する基礎知識4時間
高齢者と介護・医療に関する基礎知識16.5時間
個別の福祉用具に関する知識・技術17.5時間
サービスの仕組みと利用の支援・総合演習13時間

全科目のあとには、修了評価の試験があります。

私は介護福祉士の資格があったので、講習を受けずに福祉用具専門相談員になりました。介護職として働いていたころに、車いすの移乗やベッドでの介助を毎日していた経験は、用具を選ぶときにとても役立っています。

一方で、戸惑ったのは制度と書類です。介護の現場では使っていた用具が「なぜレンタルできないのか」を、家族に説明できるようになるまでには時間がかかりました。

未経験からでも目指せる

job tagの調査では、入る前に必要な実務経験は「特に必要ない」が64.6%でした。

入った後の訓練期間は「1か月超〜6か月以下」が33.3%、「6か月超〜1年以下」が29.2%です。働きながら覚えていく部分が大きい仕事だと言えます。

向いているかどうか迷ったら、上の6つの特徴のうち、自分に当てはまるものを数えてみてください。苦手なものがあっても、②の説明や④の書類のように、慣れで伸びる部分は多いと思います。

・福祉用具専門相談員は、用具を選ぶ・届ける・見守る仕事。聞く力と説明する力がいちばん大事
・電話・書類・納品も毎日ある。苦手なところは、小さなルールや事業所の体制で補える
・介護福祉士などの資格があれば講習なし、なければ53時間の指定講習で目指せる
・迷ったら、見学や面接で「納品の体制」「書類の量」「研修」を聞いてみる

参考資料

福祉用具専門相談員の仕事って?新人相談員の体験談解説

福祉用具専門相談員の仕事って?新人相談員の体験談解説
福祉用具専門相談員の仕事は、車椅子やベッドの販売だけではありません。未経験から始めた私の最初の3か月を振り返り、業務の流れや戸惑い、やりがいをわかりやすく解説します。

福祉用具の選定で新人がヒヤッとした失敗談

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福祉用具専門相談員になりたての頃、車椅子選定で経験したヒヤッとした失敗談を振り返ります。介護現場で新人が陥りやすい選定ミスと隙間事故のリスク、そこから学んだ確認ポイントを公的データも交えて等身大の目線で綴ります。

介護保険で福祉用具を借りる流れ

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介護保険で福祉用具を借りるまでの流れを7ステップで解説。要介護認定の申請、ケアマネジャーへの相談、福祉用具専門相談員の訪問、契約・納品、使い始めた後の見直しまで、家族がいつ何をするかを整理しました。認定前に借りるときの注意点も。

本記事は現場での経験や公的資料をもとに作成していますが、内容は個人の見解であり、効果・効能を保証するものではありません。医療的なご判断が必要な場合は、必ず専門職にご相談ください。なお、本記事はAIで下書きを作成したうえで、運営者が加筆・確認しています。

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