福祉用具専門相談員の指定講習とは?資格の取り方と53時間の中身

福祉用具専門相談員の指定講習と資格の取り方のアイキャッチイラスト 資格・キャリア情報

「福祉用具専門相談員になりたいけれど、資格はどうやって取るの?」。求人を見て気になった人や、介護の仕事から移ろうか考えている人は、まずそこが気になると思います。

資格がない人は、「指定講習」という53時間の講習を受けて修了すると、福祉用具専門相談員として働けます。この記事では、厚生労働省の通知と都道府県の資料をもとに、講習で学ぶことや流れ、日数・費用の例をまとめました。

私自身は介護福祉士の資格があったので、講習を受けずに福祉用具専門相談員になりました。講習の中身は資料で確かめた事実を書き、現場で働いてみて感じたことを体験として添えます。

自分に向いている仕事か迷っている人は、「福祉用具専門相談員に向いている人・向いていない人」もあわせて読んでみてください。

この記事でわかること

  • 指定講習を受ける必要がある人・ない人
  • 53時間で学ぶ5つの科目と、2025年からの新しいカリキュラム
  • 申し込みから修了証明書までの流れと、修了評価
  • 日数・受講料・受け方の例

先に結論

  • 介護福祉士・看護師などの8つの資格があれば講習なし。なければ53時間の指定講習を修了すると、福祉用具専門相談員になれます。
  • 講習は講義と演習です。最後に1時間ほどの筆記の修了評価があり、足りなければ補講などがあります。
  • 日数・受講料・受け方は講習ごとに違います。例では7〜9日、4万円台〜7万円台でした。

指定講習の早見表

項目内容
講習が必要な人8つの資格(介護福祉士・看護師など)を持っていない人
時間講義と演習で53時間(修了評価は別に1時間ほど)
修了評価全科目のあとに筆記。足りなければ補講など
日数・受講料の例7日間・46,200円(2026年3月開催)/9日間・77,000円(2026年度)
受け方通学のほか、オンラインと会場を組み合わせた講習もある
ミライ
ミライ

53時間って、ずっと座って先生の話を聞くの? 寝ちゃいそう…。

ススム
ススム

それ、よくある勘違いなんだよね。演習もあって、ベッドや車いすを実際に触る時間もあるんだ。

指定講習を受ける必要がある人・ない人

指定講習なしでなれる資格と、講習が必要な人を分けた図

指定講習を受ける必要があるのは、決められた8つの資格を持っていない人です。資格がある人は、講習を受けなくても福祉用具専門相談員として働けます。

指定講習は、車の教習所に少し似ています。決められた科目と時間をすべて受けて、最後に確認を受けてから修了になります。ただし、運転免許のような国の試験ではなく、講習をする事業者が評価して、修了証明書を出します。

講習なしでなれる8つの資格

次の資格を持っている人は、講習を受けなくても福祉用具専門相談員になれます。持っている資格が、そのまま「入場券」になるイメージです。

  • 保健師・看護師・准看護師
  • 理学療法士・作業療法士
  • 社会福祉士・介護福祉士
  • 義肢装具士

これらの資格がない人は、都道府県知事が指定した事業者の指定講習を修了して、修了証明書を受け取ります。

ホームヘルパー2級は2015年から対象外

以前は、ホームヘルパー(訪問介護員)1級・2級や、介護職員基礎研修を修了した人も、講習なしで福祉用具専門相談員になれました。2015年(平成27年)4月1日からは、これらは対象から外れています(埼玉県・大阪府の案内)。

昔のヘルパーの資格を持っていても、今から福祉用具専門相談員になるには、8つの資格のどれかか、指定講習の修了が必要です。

私が福祉用具専門相談員になろうと思ったのは、介護士の経験をもとに営業職に携わりスキルアップを目指したいと思ったからです。

調べてみると、介護福祉士の資格があれば講習を受けなくても働けると分かり、すぐに応募できました。ただ、講習を受けていない分、用具の知識は入ってから一つずつ覚えることになり、この時は講習を受けたかったと思うことがありました。

指定講習で学ぶ5つの科目

福祉用具専門相談員指定講習の5つの科目と時間数の表

指定講習は、5つの科目を講義と演習で計53時間学びます。科目と時間は国の通知で決まっていて、講習によっては時間が多くなることもあります。

科目 時間 主に学ぶこと
福祉用具と福祉用具専門相談員の役割 2時間 福祉用具の役割、相談員の仕事と職業倫理
介護保険制度等に関する基礎知識 4時間 介護保険の仕組み、ケアマネジメント
高齢者と介護・医療に関する基礎知識 16.5時間 体と心の変化、病気、リハビリ、介護技術、住まい
個別の福祉用具に関する知識・技術 17.5時間 用具の特徴、選び方と調整の実習、事故の防ぎ方
福祉用具に係るサービスの仕組みと利用の支援に関する知識及び支援に関する総合演習 13時間 サービスの流れ、計画の作り方の演習

科目ごとの内容は、厚生労働省の通知の別紙「目的、到達目標及び内容の指針」をもとに要約しました。

役割と介護保険の基礎(6時間)

最初の2科目では、福祉用具専門相談員が何をする人なのかと、介護保険の仕組みを学びます。

  • 福祉用具の役割:暮らしの動作を助ける、介護予防、自立支援、介護する人の負担を減らす
  • 相談員の役割と職業倫理:守秘義務、説明責任、利用者本位、学び続ける努力
  • 介護保険の仕組み:要介護認定、サービス、費用の負担、地域包括ケア
  • 介護サービスの視点:虐待の防止、身体拘束をしないこと、ケアマネジメント、ICF(生活機能のとらえ方)

高齢者の体と介護・医療(16.5時間)

いちばん時間が長い科目の一つが、高齢者の体と介護・医療の基礎です。中身は5つに分かれています。

  • からだとこころの理解(6.5時間):年齢による体の変化、脳血管障害・骨折・認知症・パーキンソン病などの病気、感染症の予防
  • リハビリテーション(2時間):リハビリの考え方、理学療法士・作業療法士などとの連携
  • 高齢者の日常生活の理解(2時間):食事・トイレ・入浴などの日常の動作、家族関係
  • 介護技術(4時間):起き上がり・立ち上がり・移乗・トイレなどの介助を、用具を使って練習する
  • 住環境と住宅改修(2時間):日本の家の段差や廊下の課題、手すり、介護保険の住宅改修

介護技術では、ボディメカニクスも学びます。重い荷物を持つときに、ひざを曲げて腰を落とすような、体に負担の少ない動き方のコツです。

福祉用具の知識と実習(17.5時間)

いちばん時間が長いのが、福祉用具そのものを学ぶ科目です。

  • 福祉用具の特徴(8時間):車いす、介護ベッド、床ずれ防止用具、歩行器、手すりなどの構造と、安全に使うための注意
  • 福祉用具の活用(8時間):体の状態に合わせた選び方と調整、組み立て、使い方の実習
  • 福祉用具の安全利用とリスクマネジメント(1.5時間):事故やヒヤリハットの例、事故が起きたときの報告、危険を予測する考え方

介護保険で借りられる用具の種類は、「介護保険でレンタルできる福祉用具13品目」で一覧にしています。

ヒヤリハットは、車の運転で、事故にはならなかったけれど「ヒヤッ」「ハッ」とした場面のことです。用具でも、小さな「ヒヤッ」を集めて、大きな事故を防ぎます。新人のころの実例は「福祉用具の選定で新人がヒヤッとした失敗談」にまとめています。

サービスの仕組みと総合演習(13時間)

最後の科目では、福祉用具のサービスがどう届くのかと、計画の作り方を、演習で身につけます。

  • 福祉用具の供給とサービスの仕組み(3時間):レンタルと購入、機能や価格帯の違う複数の用具を示すこと、軽い要介護度の人への決まり、レンタルか購入かを選べる用具、消毒と点検
  • 支援の流れと計画の作成(10時間):PDCAサイクルに沿った支援、福祉用具貸与計画の作り方、モニタリング、事例を使った演習やロールプレイング

PDCAサイクルは、料理で、レシピを決めて作り、味見をして、次は塩を少し減らすような流れです。用具も、計画を立てて届け、使い心地を確かめて、合わなければ見直します。

福祉用具貸与計画は、旅行の行程表のうち「用具」のページをくわしくしたようなものです。利用者さんの側から見た流れは「介護保険で福祉用具を借りる流れ」で解説しています。

この科目は講習のしめくくりで、全体の振り返りと、学び続けることの大切さを理解する時間でもあります。

ミライ
ミライ

ロールプレイングって、ゲームの? 勇者になれる?

ススム
ススム

惜しい! 相談員役と利用者役に分かれて、話を聞くところから練習するんだ。

2025年4月から新しいカリキュラムに

指定講習の内容は、国の告示で全部改正され、2025年(令和7年)4月1日から新しいカリキュラムになりました(厚生労働省の通知)。上の5科目・53時間は、新しいカリキュラムの内容です。

ただし、古い内容で行う講習でも、2026年(令和8年)3月31日までに終わるものは、古い内容のままでよいとされていました。新しい料金プランに変わっても、期限までは古いプランのまま使えるようなものです。

大阪府では、府が指定した事業者は2026年度から新しいカリキュラムで講習をしています。これから講習を受ける人は、新しいカリキュラムの講習を受けることになると考えてよいでしょう。

介護福祉士として働いていたので、起き上がりや移乗の介助、認知症の方への接し方は、相談員になってからも役に立ちました。講習の科目でいえば「高齢者の体と介護・医療」の部分は、現場で身についていたと思います。

一方で、苦労したのは用具の種類と調整、そして計画書です。同じ車いすでも種類がたくさんあり、先輩について回りながらカタログを見たり事務所にある用具を実際に触って覚えていきました。講習の科目表を見ると、私が入ってから必死に覚えたことが、ちょうど「福祉用具の知識と実習」と「総合演習」にまとまっていると感じます。

申し込みから修了証明書までの流れ

指定講習の申し込みから修了証明書までの4つの流れ

指定講習は、都道府県知事の指定を受けた事業者に申し込み、全科目を受けたあとに修了評価を受けて、修了証明書をもらう流れです。

  1. 申し込み:都道府県の指定を受けた講習の事業者に申し込む
  2. 受講:講義と演習で53時間を受ける
  3. 修了評価:全科目のあとに、筆記で1時間ほど
  4. 修了証明書:知識や技術が身についたと確認されたら、事業者から修了証明書が出る

指定講習は、年に1回以上開くことが決まっています。どの事業者が講習をしているかは、都道府県のホームページで調べられます。

修了評価は筆記で1時間ほど

修了評価は、全科目が終わったあとに、筆記で1時間ほど行います。この1時間は、53時間には含みません(厚生労働省の通知)。

評価は、科目ごとに決められた「到達目標」に、どれだけ届いたかを見るものです。指定講習は福祉用具専門相談員の入口の講習なので、目標は次の2つのレベルが想定されています。

  • 列挙できる:名前を挙げられる、知っているレベル
  • 概説できる:人に大まかに説明できるレベル

国の通知では、修了評価は「厳正に」行うこととされています。講習の内容をしっかり受けておくことが大切です。

ミライ
ミライ

最後にテストかぁ…。落ちたらどうしよう。

ススム
ススム

入口の講習だから、まずは名前を挙げたり、大まかに説明できたりするかを見るんだ。授業をしっかり受けておくのがいちばんの準備だよ。

休んだときや、基準に届かなかったとき

修了評価で到達目標に届かなかったときは、事業者が必要に応じて補講などを行うことになっています。休んだときの扱いや補講の費用は、講習ごとに決まっています。

例として、ある講習の案内では次のように書かれていました。

  • 遅刻・欠席したときや、修了評価で合格基準に届かなかったときは、講習が終わってから1年以内に補講や再評価を受ける
  • 1年を過ぎると、補講を受けても修了証は出ない

扱いは講習によって違うので、申し込む前に案内で確かめておくと安心です。

日数・費用・受け方の例

指定講習の日数と受講料の例を2つ比べた表

日数・受講料・受け方は、講習ごとに違います。国の通知には決まった金額や日数はなく、事業者が決めて公開することになっています。

参考に、2つの講習の例を並べました。

項目 オンライン中心の講習の例 通学・週1回の講習の例
時点 2026年3月開催分 2026年度(令和8年度)第1回
日数 7日間(すべての受講が必要) 毎週木曜日の全9日(約2か月)
受け方 オンライン5日+会場2日 会場
受講料 46,200円(税込み・テキスト代込み) 77,000円(税込み・テキスト代込み)
修了評価 最終日 最終日(修了評価1時間のみの日)

出典:オンライン中心の講習の案内、島根県「福祉用具専門相談員指定講習」(令和8年1月現在)。受講料・日程は各講習の案内の時点のものです。最新の情報は各講習の案内で確かめてください。

同じ資格のための講習でも、受講料に3万円ほどの差がありました。短く集中して受けるか、週1回で少しずつ受けるかも、講習によって違います。

ミライ
ミライ

同じ資格なのに3万円も違うの!? じゃあ安いほうが絶対お得だよね?

ススム
ススム

そこはちょっと待って。仕事を休める日数や、会場まで通えるかで、合う講習は人それぞれなんだ。値段と日程を並べて比べてみてね。

オンラインで受けられる講習もある

オンラインで受けられる講習もあります。沖縄県のページでは、県内に一般向けの講習をする事業者がないため、オンラインで受講できると案内しています。

ただ、オンライン中心の例でも、用具の特徴と使い方を学ぶ2日間は会場での集合研修でした。ベッドや車いすを実際に触って調整する練習は、会場で行う講習があります。

近くに講習が見つからないときは、オンラインの講習や、全国福祉用具専門相談員協会の研修会の情報も探してみてください。

講習を選ぶときに確かめたいこと

講習の事業者は、受講者向けの約束ごとを「運営規程」として公開することが決まっています。お店の「利用規約」のようなものです。申し込む前に、次の点を確かめておくと安心です。

  • 受講料(補講などの費用を含む)
  • 日程と、1日の時間
  • 受け方(通学・オンライン)
  • 休んだときの扱いと、修了の決め方
  • 修了評価のやり方

埼玉県のページも、講習の内容は変わることがあるので必ず主催者に確認するよう呼びかけています。

講習のあとも学びは続く

指定講習は入口で、現場で学び続けることを示した図

指定講習は、福祉用具専門相談員の入口です。修了評価の目標も「名前を挙げられる」「大まかに説明できる」レベルで、実際に使いこなす力は、働きながら伸ばしていきます。

福祉用具専門相談員には、必要な知識と技能を身につけ、保ち、高めていく努力が求められています。辞書を新しい版に買い替えるように、新しい用具や制度に合わせて知識を新しくし続ける仕事です。

講習のあとに受けられる研修として、公益財団法人テクノエイド協会などが行う「福祉用具プランナー研修」もあります。学び続ける姿勢がこの仕事にどう生きるかは、「福祉用具専門相談員に向いている人・向いていない人」でも紹介しています。

相談員になってからは、先輩の納品についていくのがいちばんの勉強でした。ベッドの高さを合わせるときに、利用者さんどのように使い方や注意点を説明のするところを横で見て、あとでメモにまとめていました。

新しい用具は、メーカーの担当者が事業所に説明に来てくれることがあります。実物を触りながら質問できるので、カタログを読むより早く覚えられると感じています。

・介護福祉士などの8つの資格がなければ、53時間の指定講習で福祉用具専門相談員を目指せる
・講習では、体と介護の基礎から、用具の実習、計画の作り方まで学ぶ
・日数・受講料・受け方は講習ごとに違う。都道府県のページで講習を探し、案内で費用と日程を比べる
・修了はゴールではなく入口。働きながら学び続ける

参考資料

福祉用具専門相談員に向いている人・向いていない人|現役が解説

福祉用具専門相談員に向いている人・向いていない人|現役が解説
福祉用具専門相談員に向いている人・向いていない人を、法律で決まった仕事の中身と、厚生労働省の職業情報サイト(job tag)のデータをもとに現役の相談員が解説。必要な資格・53時間の講習、つまずきやすいところと対処法もまとめました。

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福祉用具専門相談員になりたての頃、車椅子選定で経験したヒヤッとした失敗談を振り返ります。介護現場で新人が陥りやすい選定ミスと隙間事故のリスク、そこから学んだ確認ポイントを公的データも交えて等身大の目線で綴ります。

本記事は現場での経験や公的資料をもとに作成していますが、内容は個人の見解であり、効果・効能を保証するものではありません。医療的なご判断が必要な場合は、必ず専門職にご相談ください。なお、本記事はAIで下書きを作成したうえで、運営者が加筆・確認しています。

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